4年後にまた戦いましょう——それがアメリカ大統領選。
4年後にまた会いましょう——それがオリンピック。
5年以上経ったら選びましょう——それがMLBの殿堂入り(National Baseball Hall of Fame)。
先週、引退から5年を迎えたイチローが、ついにアメリカ野球殿堂入りを果たした。
約四半世紀前、マリナーズに移籍した当時、野球の本場で日本人の彼がフィールドプレーヤーとしてどこまで活躍できるのか、多くの人が懐疑的だった。
しかし今振り返れば、それは失礼な憶測に過ぎなかったと痛感する。ここに改めて深く敬意を表したい。
数ある記録の中でも、個人的に特に印象に残っているのは、7年連続首位打者と10年連続200本安打。
そして、右翼から三塁へのレーザービーム送球や、キャッチャーのタッチを二度かわした「忍者の生還」も忘れられない。
あの生還劇の際、テレビのニュースかアメリカのファンの声だったか、「日本にはもう忍者はいないと聞いていたのに……」という趣旨のコメントが流れたことが、記憶の片隅に残っている。
また、彼にはたくさんの名言があるが、
「何を言うかではなく、誰が言うか。
同じ言葉でも、10年の実績を積んだ人とルーキーの選手とでは、重みがまったく違う」
という発言には、目を開かされる。
1ヵ月ほど前、松井秀喜との対談番組でのオープニングの会話も印象的だった。
イチロー「最近のメジャー、見ていてつまらなくない? そう思わない? データ野球すぎて」
松井「思う」
イチロー「もっと頭使わないと」
最近は高校の野球部で指導を続ける姿も見られるが、彼の影響力はこれから10年、20年と日本の野球界において、陰に日向に大きく広がっていくことだろう。
(敬称略)
Baloon Ninja