1956年ダートマス会議でAI (人工知能) という言葉が生まれて今年で68年。
個々人で程度の差こそあれ、今や誰しも生活であるいは仕事の面で恩恵に浴してきていると思う。
その人工知能がこのところ津波のようなスピードで進化を遂げているのを実感する。
しかし斯界においては機械翻訳に対する信頼度はまだまだ低いと言える。
官公庁入札案件では、現時点では機械翻訳を不可としているケースが多い。
先日福島沿岸部で生活する中国人女性の話をTV報道で知った。
彼女は観光や調査で当地を訪れる中国人に中国語で案内しているそうだ。
母国語で伝えることによって当地域に対する中国側の誤解が自然と解け、中国人たちは実態を正確に把握して本国に帰っているという。
日本人の地元担当者がそれまで翻訳アプリを使用して交流を図っていたときには、きちんと伝わっているかどうか正直不安だったらしい。
もちろんAIアプリのリスポンス速度には驚くが、過誤性と正確性への懸念・疑念がつきまとう。
フェイク使用等の悪用への危険性も欧米では議論の的となっているところだ。
スティーブ・ジョブズにAppStore.comドメインを無料で譲ったマーク・ベニオフは、米大統領に絡むフェイクニュースなども後を絶たない現況のなか、「信頼を得て進むのか信頼を得ずに進むのか?」と言う。
とにかくその出現インパクトの強さでは、人類史上最強の成長テクノロジーとしてプレゼンスを増し、コモディティー化しつつあると言えよう。
AIが人間の知能を超えるという、レイ・カーツワイル博士予測の2045年シンギュラリティが現実のものとなるか。
たとえ完全にそうならなくとも人類社会・地球が激変していることは間違いないだろう。
Fukushima's Akabeko Cow