なぜそのニュース映像が記憶に残っているのか。
レース後、肩を抱きあいながらウィニングランする二人の女子スケーター。
2018年2月平昌五輪。
先日ザッピングでTVを流し見していたら、
その記憶の主役が「徹子の部屋」に出ていた。
昨年引退した小平奈緒さん。
幼少時の逸話や父母の教育エピソードなど、
含蓄に富む話に感心した。
スケートリンクの受付で母が仕事をしている間
幼子はスケート靴を履いて遊んでいたという。
時は流れ、彼女はスピードスケート界の頂点に立つ。
翻訳の仕事に関わる愚生が一番聞き入ったのは、
オランダ留学時の話だ。
奈緒さんにとってストレスだったのは、
当初オランダ語が雑音にしか聞こえなかったこと。
ただし6ケ月ほどで大体理解できるようにはなったという。
問題は、その後である。
しゃべれない。オランダ語が出てこない。
その理由は、「私の中に意見がなかった」。
日本で暮らしていると、なんでもかんでも指示されることに対して応えることが多かった。
「こうしたい」という自分の意見が言い出せなかった、と彼女は言う。
選手生活を通して「自分の体を知る、技術を知る」というふうに、「知る」を楽しむことに興味を持ってきたという小平は、オランダでの体験で「自分はこうしたい」という気持ちを育てようと思ったという。
彼女の人生第二ステージは大きく花開く予感に満ちている。
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