行け行けどんどんと追いまくられる日々。
あるいは追いまくらねばならない状況。
続く緊張と重なる疲労。
そんな状態が何かのきっかけで、ストンと穏やかな心のエアポケットに、気持ち丸ごと引き落とされることがある。
それまでの気持ちの色合いが一瞬にして染め変えられてしまう。
私の場合、そのトリガーは音楽、とりわけ歌であるケースが多いようだ。
数日前の雨曇りの朝、心なしかほっとしていたのは、長すぎた猛暑の日々がやっと収まったと実感していたからだろう。
カーラジオから流れてきたのは、西田敏行の「もしもピアノが弾けたなら」。
パーソナリティの小話をはさみの後、その余韻が収まるころ、次にかかった曲は、ユーミンの「飛行機雲」。
窓の外では小雨が落ちてきた。いわく言いがたい雰囲気が車内を支配した。
悲しみと言うのではない。
やっと来た季節の変わり目をリアルに感じながら、どこか心の凝りがほぐされるような感覚。
そして、呟いてみる。
”Tomorrow is another day”と。
The Clouds above Kinkakuji