夏季の猛暑日数の記録が更新されたらしいが、さすがに9月に入ってからは早朝の空気に秋を感じる。
この時期の富山の風物詩をBSで見た。
「夜目遠目傘の内」とは言うものの、まさに「越中おわら風の盆」ほど、この3拍子揃ったものはないのではないかと再認識した。
頃は夕暮れ時。遠くに聞こえる三味線と胡弓の切ない調べに合わせて何やら着物姿で踊る集団あり。
それぞれに味のある浴衣の模様やデザインからは、この盆の踊りに寄せる各町会の人々の心意気が伝わってくるようだ。
踊り手の顔は編み笠に隠れてどこの誰とはわからない。
「秘すれば花」という人間心理をついて、「見たい、見えない」「見たい、見えない」の感情がコントロールできずに繰り返され、いつか我を忘れて祭りに引き込まれてしまう。
地域文化として育まれた夏の終わりの八尾のおわら盆。
コロナが明けて久々に再開した越中富山の風物詩に見入りながら、富山出身の友人の顔が頭に浮かんだ夜であった。
Minami-Koshigaya Awaodori Festival