年明けのTV番組でマツコ・デラックスが「今まで一番華があると思った人」について「私はサブちゃん(北島三郎)ね、やっぱりすごくて」と話したという。
「紅白でサブちゃんが出てきたときパァーって花が咲くみたいになる。
一年の締めくくりとして、あんなに場を明るくする人はいない」と褒めたという。
そのニュースをスマホで読んで、昔聞いた逸話を思い出した。
人気ドラマ「北の国」の脚本家倉本聡のことである。
1974年のNHK大河ドラマ「勝海舟」の脚本を当初担当したが、演出に関わるトラブルで早々に脚本を降板した。
直ちに飛行機で千歳に飛び、札幌に転居。
どういう流れか、そこで一時期北島三郎の付き人になった。
北島のショーの人気ぶりはすごかった。
どんなリクエストにも対応し、聴衆と互いに遠慮なくやりあう姿を見て、倉本総は何かインスピレーションを感じた。
「自分も変わろう」と思ったと後日語っている。
今や北島は第一線を退いてはいるが、往時の彼の歌はYouTubeでいくらでも聞き直せる時代だ。
彼の芸風、歌唱法、歌唱力、立ち姿。
歌い出しから一気にサブちゃんワールドに引きずり込まれてしまう。
不世出の歌手であることは誰も否定できないだろう。
歌の世界も文章の世界も、聴きほれる歌や、つい読み進めてしまう文章はあるものだ。
翻訳作品においても、魅了されるような世界を世間は待っているに違いない。
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