谷崎潤一郎様

Steveのつぶやき

Blog

谷崎潤一郎様

谷崎潤一郎様 
 
時代は変わりました。「文学」、「純文学」という言葉が耳目に触れることが少なくなりました。 
今あえて御礼申し上げます。「文章読本」を、あるいは「陰翳礼讃」をこの国に残してくださったことに。 
つい先だってまで、ご出身が東京の下町だったような、関西だったような、「あれ?」、どっちだったかなと、不精な小生は特に調べることもなくやり過ごしていました。 
一昨年の大地震が起きた年の秋口、そのことについてネット上で何かほかのことを検索していた際にたまたま知りました。 
つまり、東京か関西かのどちらかではなく、東京から関西へ転居したことを。そのきっかけが関東大震災であったことも。 
瞬間当時に想像を馳せて、胸騒ぎが小生の体に起こりました。 
一昨年私もこの東京で生涯最大の揺れを経験いたしました。  
あるデータによれば、マグニチュードは7~9と9で大きな差はないようですが、被災者の数は関東大震災の方が圧倒的に多かったのですね。 
木造建築ばかりだった時代とビルが多くなった時代との差が被害者の多寡に表れたものでしょう。(もっとも東日本大震災は放射能の問題を長く引きずることになっているのですが) 
 
その後京都に移られて、21年後「細雪」を私家版として発行されました。 
しかも、その間太平洋戦争があったのですね。 
怒涛の時代を経ながら、なんとすばらしい作品群を完成されたことでしょう。 
せわしい世の中になってはおりますが、時間を見つけてじっくり再読するつもりです。

谷崎潤一郎様

谷崎潤一郎生誕の地